空が高い。 日本とはちがう色、それだけでここがちがう場所なのだと思い知らされる。理念も歴史も文化もちがう異国の地。これからの一生を過ごすところ。 「イタリアーノはジャッポーネに対してそこそこ友好的だぞ」 ふりかえれば、家庭教師の少年が中折れ帽の縁に指を引っかけて表情を隠し、口もとだけでシニック・スマイル。 「同じ敗戦国だからな」 ――当たり前のように言う彼に死にたくなるほど幻滅した。
終わらないエンドロール 世界はアジア・太平洋戦争が終わったという けれど日本ではまだ終わっていない 終わらせない |