中間テスト(狙いすまして全教科平均点ぴったんという結果に小さなセンセーはなんとも言えない顔をしてそれが見物だった)も終わり、期末テストまでおよそ一ヶ月。もはやコスプレイベントと化したハロウィンもなにごともなく過ぎてもう十一月だ。古く言うなら霜月、こういうとすごく寒そう。でもその認識はまちがってなくて、買い食いしたいのはアイスよりも肉まんとかおでんとかだ。実際の霜月は旧暦だから今の十月になるわけだけど。
「今日はあったかいのなー」
「だね。昨日寒かったもん」
 日当たりのいい机に伸びて会話する。ほかほかしていて気持ちいい陽気だ。気温は予報通りならたぶん二○度。夏場ならがんがん涼しいとか言っていたのに、人間の体感温度ってまじで意味わからん。
「なーあ」
「んー」
「公園になんか今川焼きの屋台あったから帰り食い行かね?」
「おまえ今日も部活だろー」
「いんや、今日はおまえの日だから休み」
「なんだよそれ。どんなイベント」
 だらだらしながらだべるだべる。
 小うるさい自称忠犬は今ごろ消火器の隠し部屋(コミックス一巻参照)だろう。
 平穏。平穏。なんてすばらしきかな平穏!
 同時に哲学してみたりする(似合わないなんて百以上承知)。職人は本質をもってナイフを鍛えたけど、おれたちはこんなんだから神さまなんていやしないのだ。





望まれたナイフ
(それってあいつだろ。モーツァルトの)(それはサリエリ)