とん、とん、とん―― この胸の中央右寄りに収まっているノッカーはこれで何回目をたたいたのだろう。どうせならちゃんと数えておけばよかった。そうすればサヨナラまでのカウントダウンができたのに。でも呪われた身体は短命で、できそこなった身体は上限までいかないかもしれない。もしかしたらだからこそ欠陥だらけのノッカーはときおり連打するのかも。臓器に命令を出しているのだから(そこに意思はない)なるほど身体は本能的に自殺したいらしい。あと何回かな。 なんて考えながら寝返りをうったら不機嫌な先輩にしこたま殴られた。
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